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【スリランカの幼児教育】 |
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元来教育熱心な文化を持つスリランカでは、早期教育のニーズとあいまって、幼稚園も数多く開かれている。しかし、明確な設置基準もなく、誰でも幼稚園を開設できるため、家で手軽にできる仕事として、専門的な知識がないまま開園されているケースも多い。
初等教育と違って、統一した方向性がなく、統括官庁が政権交代でくるくる変わる幼稚園教育は、教育というよりも、福祉的側面(女性対象)が強い。教育省も教育というよりも、良い雇用の場としての意識しかなく、それ以上の意識がないという現実がある。しかし、制度的なサポートがなく、劣悪な条件のもとにありながら、幼稚園教育は数的には拡大していっている。その背景には、教育の大切さを知っている国民性に支えられていることを、ワークショップで出会った教員の姿から思わされた。スリランカにおいては、国の施策によって、制度面の整備に着手されるのはまだ先と思われるが、草の根においては、これからも幼稚園教育は拡大されていくと感じる。
その中で、特筆すべきは、北西部州を対象とした幼稚園教育の取り組みがあげられる。この州には、1989年から2001年まで9名の青年海外協力隊員が派遣され、モデル幼稚園および養成センターの開発準備、指導にあたってきたが、この協力活動によって、北西部州において、幼稚園教育の体制が整えられ、同州の教育省が「教諭指導手引書」や「幼稚園設置基準」を制定するに至った。現地調査でこのセンターを訪れた際、1年コースの養成が行われていた。現在2年コースの準備をしており、卒業者はディプロマが与えられるようにしたいとのことであった。 | |||
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