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ヘシニャ
 
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【今後の課題】

 
 

スリランカの幼稚園教育は、草の根レベルの人々からも支持を得て、定着している。行政の関与がないのに、これだけの普及は驚きに値し、教育熱心の国民性によって支えられていることを、視察を通して実感できた。また、長く続く内戦があるとはいえ、90%を超える識字率・90%超える就学率がスリランカの経済活動にうまく機能していないこともある意味で不思議さを感じることであった。

 

一部で指摘されているように、この統計の有効性が疑問視されている。貧困地域(漁村・農村・スラム)でのリサーチでは、3割の人が、文字が読めないという結果もでている。ファンクショナル リタラシーの観点から言うと、もっと識字率は低くなるのでは思われる。また、就学率90%も、クラスがあっても先生がいないという現実があり、数字上に現れない問題も散見できた。

 

初等教育での問題がまだまだ、山積みのスリランカでは、幼児教育まで手が回らないことについて理解はできるが、国の根幹としての教育指針は少なくても必要であると感じる。また、過度な受験戦争や、英語教育の期待が、幼児の発達を阻害する恐れもあり、基礎教育としての幼児教育の位置づけの確立は急がなくてはならないであろう。

 

上記の所感により、今後の調査の課題として、就園率の調査と、幼稚園経験をした子どもの学習効果について調査されると、識字の観点からみて、幼児教育の意味が見出されるではないかと思われる。

 

また、支援の課題としては、教育行政の幼児教育分野におけるマネージメントのキャパシティービルディングの構築が必要と感じる。そのため、日本の幼児教育システムが紹介される研修の機会が必要となると思われる。また「幼児教育ハンドブック」を用いた様々なワークショップ(行政官・養成指導者・現地教諭)開催も小規模ではあるが、有効性があると感じる。

 

お茶の水女子大学
開発途上国女子教育協力センター

乳幼児保育協力研究実践部門


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