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2016年オープンキャンパス 学長挨拶 7月17日 生活科学部(理系)

2016年8月29日更新

本日は猛暑の中、お茶の水女子大学生活科学部のオープンキャンパスにお運び頂き、まことに有難うございます。

短い時間ではありますが、今日のこの機会を、本学の教育と研究、学生支援策などについて、より良く知って頂くために役立てていただければ幸いです。なお、熱中症が危惧されますので、くれぐれも水分補給などに務めて頂きたく、お願い申し上げます。

お茶の水女子大学は、日本初の女性のための高等教育機関として1875年に「御茶ノ水」の地に東京女子師範学校として設立されました。最初は、文科、理科、家政科から成る、女性のための高等師範学校として、優れた女性教育者の育成に当たってきましたが、第二次世界大戦後の1949年に新制大学としての「お茶の水女子大学」が発足し、小規模ながらも、文教育学部、理学部、家政学部(現在の生活科学部です)の3学部体制による「総合大学」としての歩みを開始しました。新制大学に移行する際に、本学発祥の地である「御茶ノ水」の名が、大学の名称になりました。

その後、1963年に大学院修士課程が、1976年に博士課程が設置され、昨年11月29日には、創立140周年を迎えることができました。

その歴史の中で、本学からは、数多くの優れた女性教育者や研究者が輩出されています。

後ほど、学部長や学科長から詳しい説明がありますが、現在、本学の生活科学部は、食物栄養学科、人間?環境学科、人間生活学科の3学科からなり、食物栄養学科と人間?環境学科が理系の学科です。

今、日本では、年々、理系女性人材を育てようとの機運が高まって、国として様々な支援体制を構築し、理系女性の活躍促進のための後押しが始まっています。今は、理系分野で活躍したいと考えている女性たちにとって、とても良い時代なのではないかと思います。理系を目指す皆さまは、是非この時代の流れを活用して、それぞれの夢を実現させていただきたいと思っています。

生活科学は、その名の通り、生活に根ざした学問分野です。それぞれの研究室では、人々の生活を豊かにするために、様々な課題に取り組んでいます。また今年度から、わが国で最初の大学院「生活工学」専攻が立ち上がりました。

食物学科では管理栄養士などの資格取得が、また人間?環境学科では一級建築士などの資格取得への道が開けるプログラムが用意されており、さらに、その次の時代に向けて、研究者への道も用意されています。

今から12年前、2004年に、全ての国立大学が国の組織から独立した「dafabet官网_dafabet手机版-购彩网重点推荐」となりました。その際に、お茶の水女子大学は、世界中の全ての女性たちの夢の実現を支援することを目指し、また、国境を越えた研究と教育文化を創造することを目指して、『学ぶ意欲のある全ての女性にとって、真摯な夢の実現の場として存在する』とのミッションを掲げました。

そして、学びたくても学ぶことのできない開発途上国の女性たちをも含めて、国籍や年齢を問わず、全ての女性たちの成長と資質能力の開発を支援するための活動を開始しました。本学で学ぶ学生たちが、世界中の女性たちと学びを共有し、多様な文化と異なる価値観や考え方を持った人々と深く理解しあうこと、そして、互いに切磋琢磨しながら自らを成長させていくことを願って、グローバルな女子教育へと舵を切ったのです。

それから11年、本学は世界に向けて大きな窓を開き、様々な国からの留学生を受け入れ、また、日本人の学生達の様々な国への留学を後押ししています。

これまでに、本学の学部と大学院は、世界54カ国もの国々からの留学生を迎えています。今年5月現在で29カ国200名の留学生が在籍しており、学生?院生や研究者の交流協定を結んでいる大学も、現在24カ国69大学に上っています。

毎年、本学からは、学部から約500名、大学院から約260名の卒業生、修了生が社会に巣立っていきます。その就職先は、大学や国?公立の研究所、初等?中等学校、様々な企業および企業の研究所、府省や県庁?市役所等の行政機関、裁判所などの司法機関、テレビ局や新聞社などの報道機関、独立行政法人や社会福祉法人、金融機関、など様々ですが、本学の卒業生は、女性が社会で活躍することも、学術研究を行うことも困難な時代から、広い視点に立って、国の内外で活躍してきました。「わが国初の」女性理学博士、女性農学博士、女性大学教授、女性医師など、「わが国初の」という枕詞がつく女性たちが、数多く活躍していることは、本学が女子教育において果たしてきた役割の大きさを示すものです。

現在も、様々な領域で、本学や本学の大学院出身の女性たちが多いことに驚かされます。こうした先輩たちの活躍は、後に続く若い方々にとって、とても力強い後押しとなってくれるでしょう。

お茶の水女子大学は、とても小さな大学ではありますが、本学で学ぶ若い方々には、大きな夢と高い理想を持って、勉学や研究に励んでいただきたいと思っています。本学の教職員たちは、学ぶ意欲のある学生たちを心から応援しています。そして、若い方たちが自分自身の可能性を花開かせ、新しい世界を開拓して行く力を身につけることのできる、優れた教育と研究の環境を作るために、精一杯努力しています。

今日ここにお出で下さっている皆さまの多くが、本学を学びの場として選んで下さることを心から期待しています。
本日は、お暑い中、本当に有難うございました。