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生命と環境 8 文化と環境 : 棚橋 訓 [文教育学部 人間社会科学科 教育] |
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LA科目をスタートして |
基礎講義の時から理系の学生も入っているので、学生の反応はあまり変わっていないですね。
ただ、リベラルアーツになってからは、理系向けの話を増やしています。生命と環境というところで、前半の授業では人間環境系をキーワードにした内容をやっています。文化人類学の側面を持っている授業だから、本当は教室で講義をするのではなく、フィールドワークがしたいんですけどね。 |
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学生に学んでほしいこと、伝えたいこと |
ひとつのものに限定しない視点ですね。
文化人類学そのものがソフトサイエンスと呼ばれているんです。その理由は、人間の側面だけではく、それを取り巻いている環境というものも目を凝らしてみるからなんですが、ひとつの視点に固定してしまうと、今までの自分の常識のようなものが前面に出てしまって、見えるものも見えなくなってしまうからなんです。
文化人類学、あるいは文化と環境というのを多様性の中で考えるという作業は、これまで生きてきた常識を捨てて、いかに赤ん坊になって一から学ぶか、ということなんです。
自分の常識を捨てるという作業は簡単ではないですが、視点や意識を変える可能性と、変えて違う視点から見てみたいという意識、その取っ掛かりをこの授業で考えてもらいたいと思っています。
そう言ったものを、個々の学生の人生のトランプの、切り札の一枚に加えてほしいですね。 |
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学生へのメッセージ |
何事にも積極的になってください。それと、教員の言うことは疑って聞け、頭から信用するな。ということですね。我々は、疑問を持ってもらうために話をしている。学生が疑問を持つ、そのための触媒を投げているに過ぎないんです。
教員が話しているところをさえぎって発言するというのは勇気がいると思います。けれど、それも訓練だと思って、疑問があったら、みなの前で発言してください。
また、疑った時には、教員を打ち倒す準備をして、喧嘩を仕掛けてきてほしい。ただ、反論するためには理論武装をして準備をしないと、喧嘩には勝てません。そのためには、知識が要るんです。その労力を惜しまないでほしいですね。
あなたが疑問に思うことは、ほかの誰かも疑問に思っていることが多いんです。
是非知恵と勇気の人になってください。
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取材(文・写真):教育企画チーム 野口香織 |
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