生命と環境 23 環境保護活動リサーチ(演習) : 森 義仁 [理学部 化学科] |
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LA科目をスタートして |
この環境保護リサーチ演習と言うのは、自らも身の回りに行われている環境保護活動を調査し、さらに外部から関係者もお呼びして、お話を聞きながら、授業の主テーマである、「せめぎあいを見つける」ことなのです。環境保護活動というのには開発と保護のせめぎあいがあります。 ただ、それはすぐ分からないので、今、「せめぎあい」の中で活動している人を、市民団体や財団、行政、企業から来て頂いて、話を聞き、授業を作っています。僕は、この授業では、グローバルなものではない、ローカルな価値観を取り上げてほしいと思っています。そのほうが「せめぎあい」の現実をより実感して捉えることができると思うのです。 |
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学生に学んでほしいこと、伝えたいこと |
まず話を聞くということ、そして重要なのは、その体験談をどういうポイントで聞くかということです。「リサーチの仕方そのもの」を理解してもらおうと。自分のテーマの中で、何がせめぎ会いなのかを見つけていく。そして、相反する二つの考え方が、どのような基準で妥協点を持ったのか、ゲスト講師の話や過去の例を調べることで見つけていく。それがレポートの書き方のポイントでもある(笑)。
それと、たくさんのことを考える時の考え方。まず大雑把に分けて、その中にどういった構造があるのかを考える。この「大雑把に分ける」というのが、理系の学生は苦手なんですね。こういうのは文系の学生のほうが得意。意図したわけではないんでしょうけど、なぜかこの授業は化学系の学生が多いんです(笑) |
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学生へのメッセージ |
環境問題のその妥協点は、科学・技術と法律、コストの中で決まるんです。科学・技術を目指す人たちの多くは科学・技術の前進に向かうけれど、法律とコストを考えた上での科学・技術でないと、今の世の中には受け入れられない。科学・技術の人たちも、それを知るべき時代が来たと思っているんです。科学・技術はあまりにも大きくなりすぎて、社会の状況を考えて開発していかないと、好きな研究もできなくなってきている。 この授業で特に科学・技術について話しているわけではないけれど、僕の中でこういった想いがあって、この授業になってるような気がしますね。環境は大切だということは知っていても、実際には自分の知っているものしか知らない。それは、色々なものを含めて考えていかなければいけない。文理融合の授業を通して、学生に考えてほしいことです。 |
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取材(写真):教育企画チーム |