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生活世界の安全保障 3 NPOインターンシップ(実習) : 亀山 俊朗[教育研究特設センター] |
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NPOインターンシップの授業 |
「生活世界の安全保障」の実習科目「NPOインターンシップ」では、今年も十数名の学生がNPO(Non Profit Organization, 民間非営利団体)で実習を行いました。受入団体は「えこお」(教育・まちづくり)、「環境ネットワーク・文京」(環境保護)、「グランマ富士見台」(子育て支援)、「チャイルドライン支援センター」(子どもの悩み相談)、「もやい」(ホームレス支援)などです。この授業では、5月のガイダンスで受入団体を紹介、学生の希望とのマッチングを行います。6月以降本格的に実習を開始。夏休みを経て、9月末には中間報告会を行い、それまでのまとめと課題を共有しました。秋から冬にかけては、大きなイベントがいくつかありました。「もやい」が参加する「反貧困ネットワーク」のイベントでは、楽器のできる受講生が舞台上でファンファーレを披露。「チャイルドライン支援センター」では全国会議・研修会に、「グランマ富士見台」では地域のNPOの交流会に参加するなど、外部とのネットワークづくりも経験しました。さらに「環境ネットワーク・文京」では受講生が運営する講演会をお茶大で行ったり、「えこお」ではクリスマス会を企画したりするなど、実習生が主体的に運営する行事も行われました。
受講生は12月までに60時間以上の実習を終え、1月10日に受入団体のみなさんを招き実習報告会を開催しました。会では団体ごとに組織の概要や参加した活動を紹介。環境問題や教育、貧困問題など、現代社会の諸問題の実際に触れた体験はもちろん、「ホームレス状態にあった人と話し見方が変わった」「仕事を持ちながらボランティアをしている人がたくさんいることを知った」といった新しい出会いが報告されました。
今年は受講生が期ごとに「目標管理シート」を作成し、2-3ヶ月のスパンで目標を立てそれが達成できたかを自分で点検、受入団体の担当者・受講生間で共有するといった工夫をしました。規定の60時間を大幅に超えて実習し企画を主体的に運営する学生がいる一方で、実習時間をやや長く感じたり、主体性が求められることに負担を覚えたりした学生もいたようです。一定以上の自主性が期待される、またボランティア的活動に単位が与えられるという授業の性格上の難しさはありますが、アンケートをみると受講生の満足度は全体に高く、またほとんどの学生が「当初の目標が達成できた」という感想を寄せています。
「NPOインターンシップ」で実習するには、全学共通科目(前期)の講義「NPO入門」を受講することが条件になっています。「NPO入門」では、昨年までの「NPOインターンシップ」実習生(3年生)や受入団体の方をゲストに招き、活動の実際について報告してもらう機会を設け、好評でした。期末レポートでは、「架空NPOの事業計画書」を課題としたところ、興味深いアイデアが集まりました。この内容と「NPOインターンシップ」の実習生報告を併せて冊子とし、2月のFDシンポジウムで配布、インターンシップ実習生と教員スタッフが報告する予定です。 |
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報告・写真:亀山 俊朗講師 |
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