ことばと世界 26 計算機のことば(演習):
渡辺 知恵美 [理学部 情報科学科] |
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LA科目を担当して |
今年度、初めてリベラルアーツの授業をやっているので、多少、試行錯誤的な部分があります。例えば、私の興味が強い分野の話になると、どうしても専門用語が多くなってしまい分かりにくくなってしまうことがあるので気をつけています。
もともと、この授業を行うきっかけになったのが、文系の方と一緒にWebのデータを分析した時に、その方はブラウザで検索して調べたものを1つ1つコピーして…という地道な作業をしていたのです。情報科学を応用することで、プログラムを使って大量のデータを一気に取ってきて、それを統計的に分析するということが可能になります。そういう、他の分野とのマッチングが面白いなと思い、学生がこの先、レポートを書くときや研究をする時に、情報科学がマッチングすればいいなと思っています。 |
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学生の皆さんへ |
情報科学というのは、他の学部の学生から見て、どういうことをやっているのかイメージが掴みにくいと思いますが、身近に使っているもののバックグラウンドで情報科学の学問が使われているというのを伝える授業を行っています。例えば通販サイトなどで目にする「この本を買った人は、他にこういう本も買っています」という『推薦』や、検索エンジンで上位表示されるしくみなど、日常的に使われている具体例を取りいれています。
演習の授業ではありますが、プログラミングが必須ではなく、基本的にはプリントを分けて手で計算をしてもらっています。プログラムはオマケ的に解説して、授業用のWebページからダウンロードして実行できるようにしています。授業を受けている学生の半数が情報科学科で半数が他の学科なので、授業を聴くだけではなく、一緒に受けている他の学科の方と仲良くなって、この先、何か一緒にできること(コラボレーション)を考えてくれることを期待しています。 |
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授業風景 |
この日の授業は、リンクを用いた分析。具体例として、普段、何気なく利用している有名検索エンジンのランキングの仕組みと、ページランクの計算でした。リンクは、クリックですぐに飛べるという利便性だけでなく、重要度やコミュニティの分析を算出することができ、それらの応用と活用によって検索のランキングが算出されています。各自が実際に計算をして、導き出される結果に感心と納得をしている様子が伺えました。 とても丁寧な説明で、文系の学生にもわかりやすいリベラルアーツらしい授業でした。 |
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取材(文・写真):教務チーム |