LA|現場の声|ことばと世界27 手話学入門(演習)
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下城 史江教授
     
ことばと世界 27 手話学入門(演習)
クラス
 全学科
履修年次  1 〜 4年
授業形態  演習
単位数  2.0
学期  前期
曜日  水曜
時限  3.0〜4.0
教室  共通講義棟1号館
 403室
毎年開講

 
ことばと世界 27 手話学入門(演習): 下城 史江 [生活科学部 非常勤講師]
LA科目を担当して
  この授業で私が行っているナチュラル・アプローチという手法は、自然な会話を中心にした指導方法です。ろう者(手話話者)である私と手話で会話するなかで、自然に、話の内容が理解できるようになっていくことを目標としています。私が使う手話表現が十分に理解できない時は「分からない」とはっきり伝えるように指導しています。 “分かる・分からない”を明確に表現できることは、ろう者の文化に入っていくために、まず必要なことだからです。自己紹介程度の手話しか身についていない人でも、Yes/Noの反応が明確にできれば、ろう者と親しい関係になれる可能性は高くなります。そういうこともあって、この授業では学生の反応を見ることを大事にしています。少人数(上限15名)だからこそ一人ひとりを細かく見ることができますし、実際に学生の反応も非常に良いですね。
 また、私の実技授業と合わせ、聴者ゲストの講義を聞くことによって、手話だけでなく手話話者であるろう者への理解も深めてほしいと願っています。
学生の皆さんへ
 社会に出ると、私以外のろう者と出会う機会があるはずです。そういう時に、「私はまだまだ手話が下手から無理だ」と遠慮してしまわずに、積極的にコミュニケーションを取れる人になって欲しいと思います。相手の方の手話表現が私と学んだものと異なっていたとしても、臆せずにアプローチして欲しいですね。学生には、異文化を理解しお互いを尊重できるような姿勢を身につけてもらいたい。大学での専攻がなんであれ、そういう人間として基本的な姿勢を共有して欲しい。そういう意味で、この授業にいろいろな学部・学科の学生が集まっているのは、非常に価値があると思います。
 手話は今まで、福祉との繋がりが非常に強かったため、福祉関係の一分野としてのみ見る人が未だに多いですね。しかし、最近では、手話は日本語と同等の、固有の文法体系と語彙を持つ「言語」であるという認識が広まってきています。「新しい言語を学ぶ」という意識で勉強するのが重要だと思っています。手話の世界は福祉の面だけでないということを、ぜひ知ってほしい。まずは、手話を言語として勉強し、その後、自分の興味のある方面で手話やろう者と関わってほしいと思います。
学生の声

【手話実技授業に対する感想】
・声も教科書も使わないのに、とてもユーモラスで、手話の世界にどんどん惹き込まれていった。先生と手話を使って会話できるのがすごく楽しい。(文教育学部1年生)
・先生の手話を見ていると、全身から伝えたいことがほとばしっていて、「手の形だけが大事なのではない、表情など全てひっくるめて『手話』という一つの言語なのだ」とハッと思いました。(生活科学部1年)
【聴者ゲストの講義に対する感想】
・顔の微妙な表情の動き具合も文法に組み込まれていること知り、手話はほんとうに“視覚言語”なんだと感じました。(文教育学部1年)
・手話にも方言や男女、年齢による差があると知って、ますます興味を持ちました。(生活科学部1年)
・この授業を通じて、手話を覚える楽しみとは違った「手話を知る楽しみ」を感じました。(理学部2年)

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